東京スカパラダイス 真編

作:ケミカル小鳥

一応スカ

「・・・プ・・・プロデューサー」 
 助手席で真が泣きそうな声で何かを訴えかける。運転しながら横目で真の様子を 
確認すると目に涙を浮かべながら右手でお腹を押さえている。我慢強い真が訴え 
かけてくるというのはかなりの非常事態ということである。しかも真は以前の経験から 
移動の前には必ずトイレに行くようにしており、さっきもそうしていたから多分そっちの 
方ではない方だろう。 
 女の子がいい難いであろう言葉を察して早速行動に移ろうとしたのだが、状況は 
ことのほか悪い。今走っているところは田舎であり付近に民家は全くと言っていいほど 
ない。しかも仮にあったとしても高速道路に近い道路のため、駐車することもできない。 
どこかに店かサービスエリアはないかとナビで探すと絶望的にまで遠い。だが、真を 
これ以上苦しませる訳にはいかない。アクセルを踏み込んで超特急で進む。 
 ・・・というのが20分前。現在、パトカーに止められ切符を切られる最中。幸いなことに 
話が分かる警官で切符は切られたが早々に解放して貰えた。というより助手席で限界 
間際の少女が睨むような涙目で訴えかけてくるのに事情を察したようで、一番最短の 
トイレのあるところを教えてもらえる。 
 道路の僅かな窪みの振動の度に苦悶の呻きを上げる真。 

「もう少しだ、真」 
 目的地を目前に緩やかにブレーキを踏み始めた頃・・・ 
「・・・・・・プロデューサー」 
 真の泣き声と共に助手席から刺激臭がする。敢えて横を見ず、なんと声をかける 
べきか悩んでいる。 
「・・・俺の家に戻ろうか」 
「・・・はい」 
 上着を脱ぎ、真のお腹の辺りにかけて惨劇を隠し、アクセルを踏んで一路東京に 
戻る。 

「遅いなぁ・・・真くんは」 
 いつまで経っても真くんは帰ってこない。今日は出演するドラマの下調べということで 
プロデューサーさんと事前にロケ地を見学すると言っていたけど、実質デートみたいな 
もの。そうでないとわざわざ服を着替えたりはしない。ここに来るまでの男の子のような 
服装から真っ白なミニのワンピースへと傍目にも分かる勝負服へのチェンジにちょっと 
お節介を。 
「真くん、お茶どうぞ」 
「ありがとうございます!」 
 真くんがゴクゴク飲んだお茶にちょっと一服。男を惑わせるフェロモンを盛大に発生 
させる効果のある媚薬は二人のデートの締めくくりにまさに相応しい逸品。副作用として 
多少に利尿と下剤の効果が出るけれど、さほど心配するほどでもない。二人のデートを 
祝してちょっぴり大サービス増量セール。 
「とは言うもののちょっと遅すぎるわね・・・」 
 いくら何でも遅すぎる。ロケ地との往復時間、渋滞を考えても十分に帰ってこれる時間。 
電話しようかと思うものの最中だったらと考えると躊躇ってしまう。 
「ちょっと・・・楽しみ過ぎじゃないかしら・・・・・・」 
 多少の嫉妬を込めて電話しようと考えた矢先にプロデューサーから電話が。 
「えっ、はい、はい、分かりました」 
 どうやら真くんの服を取りに来るみたい。真くんは来れないの?と聞いてみても口を 
濁すばかり・・・どんなプレイをしたのかしら(w 
「はい、どうぞ。折角来たのですからお茶でもいかがですか」 
 微かに真くんの残り香のするプロデューサーさんに聞いてみたいな〜とばかりに誘うも。 
「いえ、タクシーを待たせていますので」 
 といい、早々に帰っていってしまった。 
「プロデューサーさん、車持ってるはずなのに・・・」 
 プロデューサーさんの家からここまでタクシーだと結構かかるのに、と思いながらも深く 
追求するのは明日の楽しみとしよう。とにかく若い二人の間を取り持つキューピットの 
役目を果たしたことに軽い満足を覚えて今日一日を終えようとした時。 
「ぴよぴよ」 
 メールが届く。利用している調剤サイトからのメールマガジンだ。 
「あっ、これ・・・早速役に立ったわ」 
 今日、真くんに盛った薬のことが載っている。・・・何々、訂正とお詫び? 
『・・・掲載されました薬を希釈する蒸留水の量は1デシリットルではなく1リットルでした。 
 この分量ですと効果が過剰になり、また激しい下痢に襲われますのでご使用されない 
 ようお願いいたします。 
 今回の誤りに対しまして謹んで・・・・・・』 




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