人はパンのみに生きるにあらず

作:微えろP

■ 


『あっ……やあぁ……ハニーが見てると思うだけで……すごい、濡れちゃってるよぉ……』 
人気の無いスタジオで、据え置きされたカメラを前に、大事な部分を弄る美少女が一人。 

ショートカットの髪は活発な印象を与えると言われているが、それよりも色気の方が勝っている。 
それもそのはず、カメラの前で自慰行為にふけっているのは、 
若くしてビジュアルクイーンの地位を確立しつつある大物アイドル【星井美希】その人なのだから。 

『恥ずかしいけど……見て。ハニーになら見て欲しいから……ミキのえっちなところも、全部……』 
指の動きと同時に、くちゅりと水音がマイクに伝わりひどくいやらしい連想をさせる。 
十分に濡れ、男性を向かえる準備を整えたその場所は年齢にそぐわぬ性臭を放ち、 
全ての男を色香に狂わせる程の凄みを、この若さで成しているとうのだから恐ろしい。 

その映像を眺めているのは、20代も中盤に差し掛かるスーツの男…… 
いや、回りくどい言い方はやめよう、それが俺。765プロ所属のアイドルプロデューサーで、 
名前は……いや、それも別にいいや。名乗ったところでどうなるものでも無いし。 

今重要なのは、そんないわくつきのDVDがこの場所にあり、俺はそれを見ていると言う事。 
あの若さで全国の健康な男子たちの下半身を支配する、恐るべきスーパービジュアルアイドル…… 
そんな美希の無修正自慰シーンDVD……こんなものが流出したらオオゴトだ。 
俺どころか、765プロ全部が消し飛ぶという大惨事になるだろう。 

なんでそんなものがあり、今現在俺が眺めているか、というと…… 
俺が自身の溜まったものを処理するために使っているわけなんだが、 
困った事に、アレ自体はギンギンに硬いのだが、なかなか射精感が来てくれない。 
こんなに凄いお宝を前にして、何故そんな有様なのかというと……そうだな、 

ちょっと前に、どこかのゴールデン番組で『ホンマグロだけを1週間食べ続ける』 
企画ってあったよな。あれを想像してみてくれ。 
最初のうちはそりゃもう滅多にお目にかかれない高級食材だ。 
そのまま食うだけで夢に見るほど美味しく、感動さえ呼ぶ味だったさ……最初は、な。 
だが、マグロ以外は他の食材を食うことを硬く禁止され(米さえアウトという徹底ぶりだ) 
3日目を過ぎたあたりから栄養は偏り、マグロの美味しさの素であった油分を 
見るだけで味と匂いを完全に脳内が再現し、胸がムカムカしてくるという…… 

今の俺は、そんな感じなんだ。ことエロ妄想においては!! 
大好物も、毎日食べ続けて……なおかつそれ以外を食する事を禁じられてみろ、 
あっというまに『大好物』というステイタスは消えて亡くなるぞ。 

……そもそも、何でこんな事になったかというと、だ。 
同業者の皆には、多少腹立たしい部分もあるが聞いてくれ。助けると思って。 


■ 

9ヶ月ほど前、765に鳴り物入りで入ってきた新人、星井美希…… 
俺は彼女の担当プロデューサーとなり、2人3脚で順調にランクアップを果たしていった。 
そして、偶然にも美希が交通事故に逢いそうなところを助け、 
それから、彼女の中で何かが変わったのかもしれない。 
美希は、仕事に次第にやる気を見せ始め、メジャーの地位を確立した時、 
バッサリと髪を切り、決意も新たに俺とビジュアルクイーンへの道を目指すと誓い合った。 
そして、俺達はお互いを想い合う仲となり、幸せを手に入れたわけなのだが…… 

もはや今の彼女はトップアイドルであり、年齢とか色々な問題もあって、 
アレでナニな事はしていない。……そりゃ、死ぬほどやりたいけどさ。 
俺だって仕事上の立場というものがあるし、業界内で御法度とされる事であるくらい分かってる。 

だが、俺だって健康な成人男子。毎日溜まってくるものはどうしようもない。 
そんな中、オフの日に俺の部屋に遊びに来た美希は、俺秘蔵のエロ本を見つけ、怒り出した。 

『ハニーはミキっていうトクベツな人がいながら、こんなもので……してるの?』と。 

そこで彼女が申し出てくれたのが、美希お手製、俺の好み100%の自慰専用DVD作りだった。 
美希は、俺の性的嗜好を聞くと、それに準じたシチュエーションと今までの経験を元に、 
凄い映像を撮ってくれた。かつて、水着撮影の時スタッフ全員を前屈みにさせた美希だ。 
その彼女が本気になったら……それはもう、凄いDVDになったさ。 
美希の若さと色気とのギャップからくる背徳感みたいなものがある分、 
総合的なエロさでいけば、あずささんでも一歩及ばないかもしれないぞ。 

……そう、あの時は凄いものをくれた美希に、心から感謝した。 
ついつい、仕事が終わって自宅に帰った後……8発も頑張ってしまい、翌日遅刻するほどに。 
だが、こういったおかず系は……見続けると興奮度が減衰するんだよなぁ。 
アイドルイメージと似たようなものだ。 
常に新しいものを生み出さなければ、置いていかれてしまう。 

さすがに性欲は、食欲と違って3日抜けば死ぬ、というものでもない。 
しかし、ネタが限られてしまえば減衰は加速する。 
……多分コレは、同じボーカル系のシングルばかりをリリースし続けた状態と同じだと思う。 
そのおかげで、性衝動は相変わらず巻き起こるのだが…… 
使えるネタが完全統一されていると、やりにくい事この上ない。 
しかも、もう4ヶ月同じネタで処理してるんだ。これはかなり頑張っていると 
俺個人的には思うんだが、同業者の皆はどう思うよ? 


……マグロに置き換えれば、大体のことは想像つくだろうが…… 
腹ペコで倒れている俺の前に、高級ホンマグロが置かれて、俺がそれを 

『いやだ、食べたくない』 

と言って、払いのけたとしよう。 
視聴者的には怒るよな?【貴様、何贅沢な事言ってやがる!?】と。 
だが、この辛さは経験したもので無いと分からない。それは断言しよう。 
ソレを食うくらいなら、むしろ餓死する道を選ぶ人間もいると思うぞ。 

……とは言うものの、俺の場合はマグロと違う。星井美希という人間だ。 
将来を誓い合った仲である美希に文句を言えるわけも無い。 
ましてや、俺のために恥ずかしいことを我慢して、俺が性処理するためだけのDVDを 
苦労して作ってくれたのだから。 

「……どうしてもダメだな。仕方ない……仕事に戻ろう」 
映像再生機を片付け、とりあえずこの性衝動は昼休みにでも先送りしようと決めた。 
美希には申し訳ないが、もうちょっと溜めないと出すには辛いのかもしれない。 
……これでも1週間以上禁欲生活を送っていたんだけどなぁ。 
だいたい、このDVDを美希から貰って4ヶ月が経とうとしている。 
全部で1時間そこそこの容量なのだが、映像のアングルから展開……いや、 
肌の艶から流れる汗の量まで覚えてしまった。何度も見たおかげで。 
下手をすれば脳内妄想だけで一発いけるんじゃないかと思えるほどだ。 
ただし、美希に飢えている状態ならば、だが。 

……よく考えてみると、これって担当プロデューサーとしてまずいんじゃないだろうか? 
確かに美希の言うとおり、恋人同士である以上、浮気などあってはならないことだとは思う。 
しかし、他の娘と肉体関係を持つ、とかなら分かるが……一人フィーバーのおかずさえ 
完全限定するのはさすがにどうかと思うぞ。 

美希の愛を疑うわけではないが、性欲を【全て】美希で賄うというのはさすがに辛い。 
今日は、美希が来たらその辺を譲歩してもらうべく話をしようと思うのだが…… 

「ハニー、おはようなの♪今日も一日、頑張るのー」 
「おはようございますプロデューサー。こんな格好で失礼します」 

噂をすれば、というタイミング。 
やってきたのは件の張本人、星井美希と……同期デビューのアイドル、如月千早。 
別にユニットを組んでいるわけではないのだが……事務所が同じアイドル同士、 
途中で一緒になって、二人で歩いてきたのかもしれない。 
昔は美希のやる気の無さに、千早がキレたりしていたものだが、 
美希がやる気を見せてからというもの、ビジュアルとボーカルのトップ同士、 
仲良くやってくれているようでプロデューサーとしては気が楽になって助かっている。 
そんな千早が、慣れないスカート姿で現れたので、俺は一瞬ドキッとした。 

「おはよう二人とも……千早、それって学校の制服か?」 
「ええ……今日は午前中のお仕事だけなので、終わったらそのまま学校へ行こうかと」 

なるほどそういうわけか。 
しかし、女性というものは服装一つでガラリと変わるというが、千早は特に凄い。 
ブレザーにスカートの着こなしは、性格を現すようにピシッとしており、 
どこのお嬢様かと間違うほどに上品で、彼女の凛とした立ち居振る舞いも相まって 
女性のファンが付きそうなくらいカッコいい。 
『タイが曲がっていてよ』とか言わせたら、似合うだろうなぁ…… 

「そうか……じゃ、午前中に終われるようにビシッと決めていこう!! 
ただ、その服で営業は出来ないから、着替えてきたほうがいいだろうな」 
「はい、分かりました……では、10分後に社のロビーで」 

くるりと半回転し、スカートを翻す千早。ある意味相当レアな光景だ。 
コンサートでスクールウェアを着せた事はあるが、今のブレザーの方が 
何度も着ている分、似合っているような気がする。 

慎ましやかな千早の制服はスカート丈も普通より長く、 
ひざの裏が見え隠れする程度なんだが……世の中には【膝の裏フェチ】という人種がいて、 
その道の人たちに圧倒的な支持を得るだろうということが推測できる。 
……だが、見えたのはそれだけではなかった。 

普段からぴったりとした革パンツ姿で行動することが多い千早は、当然 
その行動半径もある程度決まっている。 
しかし、スカートの時は周りに対する当たり判定が厳しく、 
ましてや俺の散らかった机を通る時は注意が必要なのだが、 
今ひとつその危険を知らない千早は、案の定積みあがった本にスカートを引っ掛けて…… 

「あ……きゃっ!?」 
可愛らしい悲鳴と共に、卓上の本を崩しながら床に倒れこんだ。 

「!?」 
その時、俺にとって神の如き光景が両瞼に入ってきた。 

(……ピンク!?しかも両サイドにレース入り……) 
豪快にこけた千早のスカートは捲れ上がり、可愛い下着を丸見えにしていた。 
彼女のイメージに合わない暖色系のデザインと、レースの上品さ…… 
そして、後ろからだからこそ分かる、股間のふくらみ具合の美しい事。 
胸も、腰周りの肉付きも薄いが、あそこのふくらみだけはしっかり女の子であり、 
彼女の写真集でも必見の場所でもある。 
……言ったら怒られるから、絶対本人の前では言わないが。 

そして、その神の如きおぱんつ様は後光を発せんばかりの色気を伴って俺の記憶に焼きつく。 
その瞬間、さっきまで遠征中だった射精感が、股間の猛りもソコソコだというのに戻ってきた。 
情けない話だが、これでも20年以上人生を過ごし、アイドルのパンツごときで射精するような、 
中学生レベルの感覚はすでに卒業しているつもりだった。 
しかし、悲しいかな高級本マグロの大トロだけ4ヶ月も食わされていたこの身としては、 
素朴なサラダとも取れる、千早の下着姿がこの上なく極上の料理に見えたんだ。 

「だ、大丈夫か千早?怪我は……」 
前屈みになりながら千早の元へ歩き、まずは怪我の有無を確認する。 
が、彼女は怪我よりもスカートの方が気になるらしく、俺が近寄るのを見て慌てていた。 

「あ、あのっ……大丈夫で……きゃあっ!?」 
「うおっ!?」 
慌てているためかスカートの処理も中途半端だったらしく、起き上がると同時に振り向くと、 
今度は前から千早の下着が丸見えになった。 
フロント部分には可愛らしいフリルと、目立つように赤いワンポイントのリボンがあり、 
上品だが可愛さと色気を伴って千早を十二分に魅力的に見せていた。 

昔は下着など、機能を果たせばそれで良いと言わんばかりだったのに…… 
彼女もランクアップを遂げる事で、見られるという意識の重要さを気付いてくれたのだろう。 
プロデューサーとしては大変嬉しい事なのだが、この状況は目に猛毒だ。 


普段見慣れないブレザー姿の千早に加え、ハプニングで下着が丸見えという美味しい出来事。 
美希以外のエロに飢えた俺にとって、身体の芯から湧き上がる衝動を抑えるのに必死だった。 
しかも、千早には失礼かもしれないが、意外と可愛い下着を見られて恥じらう千早の声と、 
普段クールな千早が頬を赤く染めてあわてふためく姿を同時に見られるのは、 
超レアと言ってもいいほど珍しい事だと思う。……ていうか、俺も初めてだ。 

「……ぶ、無事ならいいんだ。美希……すまんがこの場を頼む」 
「ハニー?何処いくのよー」 
「ちょっと体調が悪いんでな……トイレだ」 

……苦し紛れにそんな言い訳をしたものの、本当の目的は勿論違う。 
未だ脳内メモリーにある、千早のパンツ丸見え姿を思い出して、一発抜くためだ。 

申しわけ無いが、今現在美希のおかずに飽きた俺にとって、彼女以外のえろビジュアルは反則だ。 
チョコクリスピー星へ連れて行かれる男の子の如く、無抵抗そのものだ。 

元々、社長と俺しか使わないような男子トイレ。 
その個室に入った俺は、猛烈な勢いで千早の大事な部分のふくらみを思い出しながら 
自分の分身を擦り……情けない話だが、一分と持たずに大爆発を迎える事となった。 
すると先程の不調は何処へやら。 
元々美希の身体のほくろの位置まで細かく記憶している俺にとって、千早のパンツは 
その存在だけでも素晴らしいお宝だった。 
色白な肌に、細い体躯。そして鍛え抜いた割にやわらかそうなお尻と、 
思ったより盛りのある大事なところ。 

さんざん剛速球を見せられた後のスローカーブに対して、かっこ悪く三振する 
バッターの気持ちが、今の俺には痛いほど良く分かる。……っていうか、出すぎて痛い。 
とりあえず千早の営業に担当Pとして同伴しなければならない以上、 
あまり時間を取られるわけにもいかないだろう。俺は素早く後処理を済ませて 
美希たちの待つオフィスへと戻った。 


■ 


「………」 
「すまん。美希……その、さっきのは不可抗力というか、事故みたいなもので、 
美希が一番大切な人であることは変わらないからさ……」 

千早の営業を終えて、彼女を学校まで送った後に待っていたのは、 
自主レッスンを終えた美希との午後のミーティング。 
……この場合、事後フォローと言いなおしても差し支え無いだろうな。 
だが、てっきり彼女以外のネタで性処理をした俺を睨むでもなく、 
かといってむくれるでもなく……沈んだような表情は、俺から見てもかなり痛々しかった。 

「……ごめんね……ハニー。美希のわがままで、そんなに辛い思いしてたんだね」 
「!?」 
そうだった。 
事故に逢ってからの美希は、仕事にやる気を見せるだけが変化じゃない。 
少しづつ、他人を気遣うような行動が多くなってきてるんだ。 
だから、【自分以外の女の子に欲情しないで欲しい】と言ったのも、 
自分の嫉妬から起こるわがままなのだと理解しているのだろう。 
だから、怒るどころか謝っているんだろう。 

俺にしてみればそんなわがままドンと来い!!という気持ちなのだが。 
……無論、溜めに溜めたせいで千早のパンツで一発抜いたのはさておいて。 
下世話な話だが、彼女もいなくて右手が恋人だった時代に比べれば 
日本トップクラスのビジュアルクイーンと恋人同士、というあり得ない幸福を手に入れたんだ。 
その程度の苦労など、無い方が逆にあやしいってもんだろう。 

「あの時は、つい勢いで言っちゃったけど……男の人って、辛いよね。 
その……3日もすれば、白くてねばねばしたのがいっぱい溜まっちゃって、 
時々抜いてあげないと、ムラムラして仕方なくなるんだよね……」 

微妙に知識が偏っている気がするが、俺はあえて突っ込まずに美希の話を聞き続けた。 

「だから……ね。ミキももう、無茶なことは言わないの。 
ハニーが浮気したり、ミキの事捨てちゃったりしないって信じられるから…… 
ひとりえっちの時だけは、どんなおかずを使ってもいいよ。 
そして、美希が大きくなって、えっちな事してもいいくらいになったら…… 
その時、美希の……えっと……はじめてを……貰ってほしいの」 


美希の言いたいことが伝わると、最後までその声を聴けなかった。 
この場で泣き出したい感動やら、抱きしめたい衝動やらが混じって、何が何だか 
分からない状態になっていたから。 

きっと、美希の言うとおりに禁を解いてもらえば全ては上手くいく。 
ファンの目線からすれば、アイドルに性的なものを感じてないはずは無い。 
故に、例え亜美真美にも性的な色気があると信じてプロデュースをしてきた俺としては、 
女性を見る目が曇るのは、何としても避けたい話だったし、 
これで多分、他のメンバーが写真集やグラビア撮影をする事になっても、 
仕事に悪影響を及ぼす事は無いだろう。 

だが……俺の心が、どこかで【待った】をかけている。 
美希はああ言ってくれるものの、俺は本気で美希が一番大好きな娘なんだ。 
たかが一人フィーバーのおかずくらい……とはいえ、 
本気で美希だけをネタに、一生とは言わないが、数年くらいなんとかできないだろうか? 
沈黙が流れる中、高速回転中の俺の脳が、一つの答えを出した。 

「……美希。俺はやっぱり一人でする時も、美希がいい」 
嘘偽りの無い、俺の本心。正面から伝えるも、美希は目を白黒させて驚いていた。 

「う、嬉しい……けど、でも……ミキはミキだから、やっぱりいずれ飽きちゃうし……」 
「いや!!調理次第で何とかなるさ。美希……この前、真とやよいと、ドラマに出ただろう? 
演技の勉強だと思って、あの時みたいに別人格を演じてみるんだ。 
キャラや容姿を変えれば、全然違った美希のおかずDVDが出来るかもしれない」 

「そっかぁ♪それなら勉強になっておかずのバリエーションも増えてラッキーだね」 
俺もそう思う。今までマグロの刺身一択だった食事に、 
マグロの照り焼きとマグロの竜田揚げというバリエーションが加わったような感じだ。 

「じゃあ……午後のミーティングのついでに、ちょっとやってみようか。 
こういうの、何て言うんだっけ…………えっと、いめくら?」 
「そう言う事は、女の子が口に出して言うもんじゃありません!!」 
美希をたしなめつつも、俺の心は待ちに待った別のおかずに飛んでいた。 
そうと決まれば、普段の美希に食傷気味な俺としては、ここで一つ美希のキャラから 
大きく外れたのを演じて欲しい。 
そんなわけで、俺が美希にリクエストしたキャラとシチュエーションは…… 


1:千早っぽく、気品に溢れる美希が、羞恥に戸惑いながらもはげしく乱れるようなDVD 

2:律子っぽく、真面目な美希が、だんだんいけない事を覚えていくようなDVD 

3:雪歩っぽく、小動物のようにおどおどした美希が、えっちな悪戯をされるようなDVD 

4:その他、どんなキャラでも美希とイメージの違う行動があれば。 






美希がやる気も新たに、俺のために新しいおかずを提供してくれると宣言してから一週間。 
千早の下着での大爆発から、ふたたび溜めに溜めている俺に前に、穏やかじゃない 
様子の千早が歩み寄ってきた。 

「……プロデューサー、美希を何とかしてください。何があったのかわかりませんが、 
最近やたらと付きまとわれて困っているんですから!!」 

やる気になった美希は凝り性故に、取材対象である千早にべったりなんだろう。 
多分、仕草やリアクションの観察、吸収から下着の趣味まで見ているんだろうな。 
俺としてはその熱心さは嬉しいが、わけもわからず付きまとわれる千早にしてみれば、 
たまったもんじゃ無いだろう。 

「すまんな、千早……実は美希なんだが、次の仕事のために品があって物静かな女性を 
演じなくちゃいけないんだ。それで一番身近で条件に当てはまる女の子として、 
千早を参考にしているんだと思う。勿論やりすぎには注意するけど、 
ビジュアル方面で売っている美希には、千早のボーカルレッスンと同じくらい重要なレッスンなんだ。 
迷惑をかけてるのは俺からも謝る。だから……それだけは覚えておいてくれ。 
そして、余裕があったらでいいから協力してほしい。この通り頼む」 

多少卑怯な言い訳にも聞こえるが、嘘はついていない。 
そして千早も、仕事を前面に出されては怒れないし【気品ある女性の見本】と言われると、 
大袈裟に喜んだりしないものの、悪い気はしないらしい。 

「そう言う事なら……美希も言ってくれれば協力するのに」 
「本当にすまんな。美希もそういう方面は照れ屋さんだからな。 
聞かれれば応えてくれる程度で良いからさ。あ、もちろんやりすぎたら遠慮なく俺に言ってくれ。 
分別は着けるし、迷惑かけたらちゃんと注意しなきゃいけないし、な」 
「ええ……その辺は了承しています。ですが……」 


言いかけて、千早は頬を赤く染めて俯いている。 
「あの……あまり、プライベート方面で恥ずかしい事は協力できかねるのですが、 
プロデューサーの方からちょっと注意していただけると……その、例えば……」 

「みんなー、おはようなの!今日も一日、張り切っていきましょうなのー♪」 
千早の話が終わらないうちに、美希が事務所にやって来た。 
最近は遅刻の心配も無くなって、担当としては実にありがたいんだが…… 
この時ばかりはタイミングが悪かったかもしれない。 

「あ、千早さーん!!おはようなの。丁度良かった。今日のパンツの色とデザインは……」 

察するに、これだろうな。千早が迷惑している一番の原因は。 
余計に真っ赤になった千早を見ると、さすがにこれはやめさせるべきと思い、 
手元にあったスポーツ誌、ナムコットスポーツ(略してナムスポ)を丸めて、美希の頭を叩いた。 

ぺちっという情けない音を立てて、面食らった美希がうずくまる。 
「社内で大声でそういう事を言うんじゃありません!!同性でもセクハラは成立するんだぞ」 
社長は大らかに笑い、小鳥さんはこちらを伺いながらちょっと苦笑い。 
朝も早くてアイドルの皆がいないだけましかもしれないな。 

「……というわけで、これで勘弁してやってくれ」 
手加減はしたが、明らかに痛いくらいに叩いたので、多少涙目になっている美希。 
多分先週のハプニングを受けて、俺のために千早の下着をリサーチしていたのだろうが、 
千早の手前ここは注意せざるを得ない。 
まぁ、明らかにこれは千早に迷惑だしやめさせて正解なのだが…… 
後で美希には個人的に謝っておこう。その気持ちには感謝もしないとな。 

「わかりました。では、私は自主トレに行ってきますが……美希も、頑張って」 
千早は恥ずかしがりながらも、嫌な表情はしていない。 
彼女も美希のために、色々考えてはくれているんだろう。本当にいい子だよなぁ…… 

さて、千早もトレーニングに出かけたことだし、例の件についてミーティングだ。 
俺は、まだうずくまっている美希の手を引いて、会議室へと連れて行った。 



■ 


「千早の気持ちを考えるとパンツの色を聞くのは禁止、いいな」 
「う……わかったの。ちょっと残念だけど」 

千早っぽいえろDVDが見たいとはいったが、何故美希本人が残念がる? 
「でも、だいたい分かったの。千早さん、あまりショーツには頓着しないみたいだから、 
白→スカイブルー→白→ピンク→白→ライムグリーン→白→ベージュ→白→ライトパープル……の 
ローテーションで、また白に戻ってるの。 
慎ましやかな人らしく、派手な色のは持ってないみたいなの。 
仕事によって見られるかもしれない時は、必ず白にしてるし……ちゃんと考えてはいてるみたい」 

「……一週間で、よくそこまで把握できたな」 
「前になんどか更衣室で一緒だったし、カレンダーに書き込んでみたら、法則性があったの。 
几帳面な千早さんらしいと思うの」 

つまり、今日は白か……などと瞬時に割り出してしまったのは男の本能が成せる業だ。 
が、今は美希の方が優先だ。千早のパンツをどうこう言ってる場合じゃない。 



……勿論興味はあるが。 


「それで、パンツ以外に千早から学んだものを見せてもらおうかな」 
「うん♪任せてなの。それじゃぁ……ちょっと後ろを向いて、目をつむって欲しいの」 

美希に促されて俺は後ろを向き、次に彼女がなにをやらかしてくれるかを期待し、待った。 
五感を研ぎ澄ませた俺の耳に入ってきたのは……金具をいじる様な音と、布が空気を叩く音。 
……平たく言えば、多分美希が服を脱いで着替えているのだろうと思われる。 

「もう……いいよ。こっち向いても」 
美希の許しが出るが早いか、俺は弾かれたように回れ右をして彼女をを凝視した。 
そして、その先にあったものは…… 


「……千早?いや、千早の学校の制服じゃないか!美希、それどうして……」 
「そんな顔しないでよぉ……ちゃんと、千早さんのガッコの服を扱ってるお店を調べて、 
普通の値段で買ったんだってば。だから千早さんは何も知らないし、迷惑もかけてないよ」 

確かに、学校の存在さえ分かれば取扱店で一式を買うことは出来るが…… 
確かあの辺……特に女子の制服は高いんだぞ。正規の値段で一式揃えたら10万円前後。 
千早の通っている学校は教育レベルや設備も良いし、下手をすれば15万以上。 
やよいが聞いたら卒倒するようなレベルの額だ。 
いくらメジャーアイドルの収入とはいえ、俺とのおかず作りのためだけにわざわざそんなに 
高価なものを揃えるとは……光栄に思いながらも、何だか申し訳ない気持ちになる。 
が、俺が驚いたのは、その制服だけではなかった。 

「千早…………い、いや……美希、だよな?」 
身長も、髪型も……確かに美希のものだが、その身に纏う凛とした佇まいは間違いなく、 
千早特有のものであり、俺は幻か夢を見させられているような錯覚に陥っていた。 

本来、人間を見分けるポイントといえば、背格好、髪型、顔つきなどである。 
が、ちょっと前にブームになった物真似芸人さん達を見れば分かるとおり、 
外見的要素は……実はあまり必要ない。 

要は、【千早】と皆が認識しているものを出せば、大抵の人はソレを見て千早と感じるだろう。 
例えば、【蒼い鳥】を千早と同じ音域、息遣い、節回しなどで唄えば千早の物真似は成立する。 
だがそれは、あくまで表面だけのものだ。 

物真似には一般的に【トレース型】と【憑依型】の2種類があるといわれている。 
前者はそのまま本人の表面をそっくりに真似るもの。古くは動物の鳴き真似などもこれに当たり、 
寸分違わぬ音域を再現する事は、もはや芸の域である。 
コレの長所は何と言ってもわかりやすいことで、4歳くらいの子供でも、犬の鳴き真似を 
完璧にこなす芸人を目の当たりにすれば、その凄さがはっきり分かる。 
外国人などにも簡単に理解できるし、シンプルにして奥の深いモノと言える。 

対して後者は、その人の癖や言動、リズムなどをシミュレートして、例えオリジナルの人が 
【言った事の無い】セリフでも、雰囲気とノリで物真似にしてしまうもの。 
最近流行っているのがこのタイプで、この芸の長所は【一度掴んでしまえばOK】なところだ。 
その人を文字通り【憑依】させてしまうことで、ステージを支配して……あとは、 
悪い言い方をすれば、何でもアリになってしまう。 
ただ、これは誰にでも通じる芸ではないし、ターゲットを絞れないとただの奇行に終わってしまう。 

その意味では、千早を良く知る俺にさえ完璧に騙されるほどの千早っぷりを美希が演じているのに驚いた。 
まず、立ち位置が美希のものではなく、千早のものになっていること。 
人間、シルエットにしてもまず現れるのが、その人の人間性を語る【立ち姿】である。 

たとえば、自信たっぷりに生きている伊織は腰を前にして立つ姿勢が多いし、 
いつも何かに怯えているような雪歩は、腰を引いて立つ事が多い。 
そして美希は……ナチュラルにだが、伊織にも似た立ち方をするのがスタンダードだった。 
自信の表れを自覚無しに表すような立ち方に、多少力を抜いた感じと言うべきだろうか? 
しかしながら、今の美希は……千早と同じように、背筋を伸ばしてシャンと立ち、 
尚且つどこか儚げで、抜き身の日本刀のような切れ味を、立ち姿の中に持っている。 

千早を追い掛け回して学習したのか、それともナチュラルに感じ取ったのかは知らないが、 
この吸収力の高さは正直驚いた。 
物真似を得意とするのは律子も同じなのだが、彼女はどちらかと言えば理屈で組むほうだ。 
感覚のみで物真似をやってのける美希は、ある意味最も恐ろしい存在かもしれない。 


「それじゃ、ハニー……するよ?」 
「!?」 
言葉自体は美希のそれであり、無理してイントネーションを変えているわけでもない。 
なのに、千早が喋っているような気がする。何故?と思うがよくは分からない。 
一体美希は、千早の何を感じ取り、何を再現しているのだろう? 
制服姿でやられたと思っていた矢先に、とんでもなく重い追加攻撃を貰った感じだ。 

その証拠に、存在自体は美希でしかないのに、千早と浮気しているような背徳感を植えつけられる。 
千早が憑依したかのような美希に、俺はただ戸惑う事しか出来なかった。 

「ほら、録画しなきゃ……ビデオカメラのスイッチ押さないと」 
「お、おう……そうだったな、すまん」 
情けない話だが、美希の変化に面食らって録画をすっかり忘れていた。 
とりあえずバッテリーは充分だし、準備はOK。 
録画中を示す赤いランプの点灯を確認した美希は、おもむろに俺のところまで寄ってきた。 

「……じゃ、お願い」 
そういったまま、頬を赤く染めてややうつむき、何かを待っているような美希。 
このアクションに対して、俺が求められている行動は……多分分かる。 
だが、あまりに千早の存在を強く認識させられているため、俺は出来なかった。 
彼女に、キスすることが。 


しばし止まる呼吸。 
お互い数秒見つめあったままだが、心の中では激しいやり取りが展開されている。 
どうしてキスしてくれないのか、とせまる美希に、千早に似すぎててやりにくい、と俺。 
恥ずかしい話だが、多分お互いがそのような内容の事を聞いているのだと分かってしまう。 
そしてそれは美希に完全に通じたらしく、少しだけ【しょうがないなぁ】という表情をすると、 

「プロデューサー……ちょっと、のどの調子が悪いんです。見ていただけますか?」と、 
今度は口調まで完璧に千早を真似て迫ってきた。 
あからさまな罠だと分かっていながら、千早の持つ迫力に押されて従う俺。 
無防備に喉の奥を晒す光景というのも、これはこれでエロスを感じる…… 
だって、上と下の違いはあれど、身体の奥の粘膜を見せるという行為は、余程信頼のおける 
関係でしかしないだろ?普通。 

100万ドルの喉、と言われる千早の口の中……正直な話、すごく見たい。 
それが美希とわかっていながら、俺は蜜に吸い寄せられる蜂の如くふらふらと身をかがめ、 
美希の口内が見える位置まで視線を下げた。 
そしてその途端……待ち構えていた食虫植物よろしく、美希が俺の首根っこを捕まえた。 

「…………」 
「……んむ、うぅ……」 

俺は正直、千早がこんなに積極的な性格とは思えない。 
が、不思議とこんな行動を取る千早を想像すると、ありえるかもと思えてしまう。 
美希が成長することで変わったように、千早もご家族や自分の問題を乗り越えたら、 
こんな事をしてくれるようになるのかもしれない。 

俺のプレゼントに、無邪気にはしゃいだり…… 
頭をなでなでしてあげたら、甘えてきたり…… 
胸を触っても、怒らなかったり…… 

「って、そんなはず無いよな。千早だし」 
俺はとりあえず否定するが、美希の捉え方ではそうではないのかも知れない。 
が、今の俺にとっては似ているか似ていないかは大した問題ではない。 
美希の【千早として】の行動には違和感を感じないし、何より美希が、 
俺のためにここまで千早を通じてやる気を見せてくれることが嬉しかったから。 

どちらからともなく唇を離すと、千早(に見える美希)が俺に抱きついてくる。 
恋人として、それくらいの事は何度もやってきたわけだが……千早の幻影が見える今は、 
背徳感を伴って、はじめて美希の柔らかい身体を抱きしめた時のようにドキドキする。 
同時に、これからはじまる出来事を想像し、僅かに俺の股間が元気になってきた。 

「ねぇ……………脱がせて。そして、触ってほしいな」 
その一言で、俺の股間はあっというまに臨戦態勢まで硬く、大きくなった。 
手からは汗が噴き出し、足はがくがくと震え、まるで未経験の子供のようになっている。 
それほどまでに極限の緊張感と背徳感を以て、美希のやわらかい身体に劣情を感じ、 
先日までの飽きはどこへやらといった様子で、美希に対する獣欲は完全に復活した。 

ボタンを一つ一つ外していくに従い、美希がいちいち可愛く反応する。 
それはまさに千早が恥じらっているようで、俺は複雑ながらも最高に情欲を刺激され、 
最後のボタンは力が余って取れてしまった。 
元から冷静さを欠いてはいるが、思いも寄らぬアクシデントに慌てる俺に、美希は 
「もう……しょうがないなぁ。でも、それだけドキドキしてくれるのは嬉しいよ」 
といって、許してくれた。 

千早の下着ローテーションに合わせたのかは知らないが、白の上品な作りのブラを見て、 
俺はまるで今日もマグロ料理である事を忘れ、胃の中に掻き込むべく、 
彼女の胸に手を伸ばし、はやくもブラの下から乳首を捜そうとしていた…… 



千早の……いや、美希のブラの中に手を入れる俺を、もう一人の俺が認識している。 
あまりにがっついて、正直大人として情けない気もするが……大好きな女の子を前にして、 
冷静にしているのも何だか嫌だ。 

「はあっ……んんっ……」 
ちょっと聴いただけで分かる、先週まで使っていたDVDとは違うトーンの声。 
声のトーン自体はさっきも説明したとおり美希なのだが、言葉を発する大元が千早に見えるため、 
マジで千早が美希のイントネーションで喋っているような気になるから怖い。 
この耳に聴こえる色っぽい声も、この手に感じる慎ましやかな手ごたえも…… 

「……待て。ちょっとおかしいぞ」 
美希の胸を触りながら、俺は違和感を声に出してしまっていた。 
以前触ったときよりも、明らかに……何と言うか、小さくなっている。 
「美希、まさか……」 
「うん。千早さんっぽくなるために、ジョギングとエアロビを繰り返して……絞ったの」 
「うわ!マジか!?」 


美希がそこまでしてくれると言うのは確かに嬉しいが……これは相当絞ってるな。 
俺の見立てでは……バスト−2cm、体重2キロ減といったところか。 
一週間でバランスよく絞るのは大変だったろうに。 
「なぁ、美希……この前も言ったが、一番大事なのは仕事だぞ。 
俺とのおかずDVD作成のためにそう言う事をしたらファンが泣くかもしれないのに」 

立場上そのように注意はするが、食事を抜くなどしての無理なダイエットでは無いようだし、 
胸以上に腰や二の腕が絞れているため全体的な印象は変わらない。 
そして顔や首などの肉も変わっていないところを見ると、最近話題の部分痩せとやらを 
試してみたんだろう。素人の生兵法は大怪我の下だが、美希ややよいといった、 
感覚のみでものを実践する子は、たまにその生兵法をドンピシャで当ててしまうから恐ろしい。 

そして、ちょっと絞った美希の胸はというと……予想以上に触り心地の良いものになっていた。 
元来、あの年齢にして抜群のプロポーションを売りにしていた美希だが、 
今現在のそれでも充分に大きいくらいだ。 
確かに手ごたえは多少無くなったものの、瑞々しい肌の弾力は健在だし、 
何より感度が上がっているようで、美希の可愛らしい息遣いを聴いているだけで、 
健全な男達はたとえ視覚情報をシャットアウトされても股間を反応させるであろう。 


「……っ、………んっ……うぅ…………っ、あっ、やあぁっ……」 
何処までが演技なのか、それとも千早を憑依させているのか分からないが、 
そこにいるのはいつもの美希じゃない。 
戸惑いと恥じらいを抱えながら、できるだけはしたない声を出さないようにとの気持ちが見え、 
見たことはないけど、仮に千早とこんな事になったら、彼女はまさにこんな反応を 
するのではないかと言う事が予想できる。 
本当のところはどうか分からないが、少なくとも俺は、充分に千早の反応に見えた。 

その豊満な身体は美希のものであり、 
その気品に溢れた精神は千早のものであり。 

一体、これをどう表現して良いのか分からない。 
千早もまだまだ成長期だし、ひょっとして晩成型なら、未来はこんな風になるのかもしれない。 
が……何故だろう?可能性としてありうるのに、 
それはあってはいけないような気にさせられる。 
本人に言ったら、100%怒られるので俺の胸の内にだけ止めておくレベルの疑問だが。 

俺は設置したカメラから邪魔にならないように美希の後ろへと回り、首筋に舌を這わせながら 
乳首をつまんで、その固い感触を楽しみにかかった。 
「あうっ……!?だ、ダメ……そこ、弱い……のっ……」 
美希は背筋を逸らしてかすかに震え、ショートにした髪のえりあしが俺の顔に触れる。 
彼女が身体を大きく揺らした事で、俺の身に体重が掛かり、美希の背中が密着した。 
背中といえど、制服越しに彼女の柔らかさをダイレクトに感じ、何とも言えず心地良い。 

しかし、一つだけ言いようの無い不安が俺の中によぎる。 
流れ上、俺が美希にいろいろしているが、このまま行って俺が理性を無くしたら、 
今まで二人で守ってきたものが崩れてしまうとういこと。 
胸だけで俺の股間はいつでも準備OKなまでになっている事を考えると、 
ここから先は常に最終ラインを超えないように踏み止まる事を念頭に置いておこう。 
そして、ちょっと小さくなった美希の胸も触りなれてきた頃、彼女は俺の手を掴んで 
下の方へと導いてくれた。 
そして、そのまま何も言わない。 

「…………」 
「……こっちも、触って欲しい?」 

「はぁ、はぁっ……ん、んっ!?……」 
片方の手は乳首をいじるのを止めていないので、美希からすれば答えにくい状態だ。 
しかし、美希は明確に気持ちよさを感じていながらも赤くなるだけですぐにして欲しいとは言わない。 
いつもなら、俺が戸惑うくらい積極的に求めてくるのに。 


「……………あの……や、やさしく……してくれたら、いいよ……」 
俺と目を合わせず、消え入りそうな声で頷く美希は、別人かと思うほど可愛らしかった。 
恥じらいを多分に含んだ表現と言うべきだろうか……口調は美希なのに、 
考え方や台詞の間が千早そっくりなので、いつもの飽きを全く感じない。 
下腹部を撫でながら、美希の下着の質感を指で愉しむ。 
ナイロンのサラリとした感触が指に心地良く、フロントにあしらわれたレース地も、 
この位置からだと見えないなりに楽しませてくれる。 
中央にある小さなひとかたまりは、多分飾りのリボンであろう。 
上下とも白で、千早が好んで身につけそうな、上品でなおかつ華美すぎないデザインだ。 

正直、イメージチェンジによってここまで気品と魅力を備えた美希を、俺は想像できなかった。 
俺が分析したところ、美希は大衆に分かりやすいほどのアピールを武器にしていると思う。 
街を歩くだけで20人単位の男達が声をかけてくるのも、そのルックスと色気故だ。 

しかし、誰にでも分かると言う事は、言い換えれば底が浅いという事実にも繋がるんだ。 
美希を以てして俺が【ホンマグロの大トロ】と例えたのもそのせいで、 
確かに抜群に美味しいし、滅多にお目にかかれない貴重な食材でもある。 
反面、これでもかとばかりに油分をたっぷり含んだその身は、早めの減衰を生んでしまう。 

対して千早は、玄人好みの高級白身魚……ヒラメやトラフグといったところか。 
誰にでも簡単にわかる美味しさでこそ無いものの、一度食べてその美味しさを分かれば、 
簡単に飽きることは無い。無論、料理人の腕にもよるので見習いPお断りのような扱いにくさもある。 
フグの毒ってかなり取り扱いに注意が必要だし、フグ調理師免許の取得がどれほど難しいことか…… 
その辺もまさに千早だな、などと失礼な事を一瞬ではあるが考えてしまった。 

そんな俺の認識は、少なくとも外れてはいなかった……ただし、半分だけ。 
髪を切り、金色を抜いて決意を新たにした美希は、例えるなら中トロのようなものだった。 
過度な色気は抑えながらも、素材の良さはまったく衰えず。 
しかももともとのネックであったやる気の無さを完全にリカバーしている分、鮮度が違う。 
さらには、しつこいまでの油分が抜けている分、調理のバリエーションも拡げられる。 

「調理の前に、材料をよく見極めないと、ね……」 
俺は、美希の正面に回りこみ、彼女のふとももを掴んで机に寝かせ、そのまま両足をぐいっと持ち上げて 
下半身を丸見えにした。こうすると美希はもはやまな板の鯉状態で、何も出来なくなってしまう。 
両足は俺が抱えているから、目の前には美希の股間がはっきりと肌のつやまで分かる位置にあり、 
下着越しに見えるあそこの盛り上がりも、その中央にわずかに存在を感じる一本のたてすじも良く見える。 

「あ、あの……」 
美希の不安を無視して、俺は彼女の股間を観察し続けた。 
白のおとなしめながら上品な下着は、シンプルな作りゆえに素材の凄さを引き立たせる。 
千早と違って女性的成長の著しい美希は、ふとももやお尻の肉付きも標準以上だ。 
まだまだ成長の余地を残しながらも、むちむちとした肉感は完成の域に近付いており、 
あそこのふくらみも大変素晴らしく、年齢不相応に育ったその場所は、壊れる事無く俺達男のアレを 
受け入れてくれるのでは、と思うほどに性的な魅力を誇っていた。 


もう、何度もビデオで見た美希のあそこ。 
この白いパンツの向こう側には、ピンク色のやわらかい秘肉と、唯一年齢相応な、薄い恥毛…… 
それらを思い出しながらも、俺の股間は先週まで感じていた飽きを忘れて大きくそそり立っている。 
夢じゃなく、鼻先10センチの場所に、美希のファン数十万人が見たくて仕方ない、 
彼女の大事なところがあるという感覚……そんな貴重性も勿論あるんだが、こうして目前に 
美希のあそこをみつめていると、そんな理屈は抜きにして、このふくらみをいつまでも眺めていたくなった。 
そのままどれくらいの時間が経ったのだろう? 
俺の視線が恥ずかしいのか、目を逸らしている美希のパンツがじわりと濡れてきた。 

「………あ……やぁっ……」 
彼女にも、下着が濡れる感覚が分かるのだろう。腰をゆすってもじもじしている美希は、 
狂おしいほどに可愛く、素で抱きしめたいと思えるほどに魅力的だった。 
「凄いよ、美希……もう、千早の真似なんてしなくても充分にギンギンだよ」 
「だ、だってっ……こんな恥ずかしいカッコで、ずっと見られてるんだもんっ……」 
「悪い悪い。でも、それほどまでに綺麗だと思ってるんだ。触ったら壊れちゃいそうでさ」 

極上の料理と言うものは、食べるのが勿体無いくらいに、色や盛り付けを考えられているらしい…… 
純白の下着に包まれた美希のあそこを見ていると、そんな事を連想させる。 
まさに禁断の果実ともいえる美希のだいじなふくらみを、俺は指で軽く押してみた。 
「ひゃっ……んっ」 
それは思ったよりずっとやわらかく、適度な弾力をもって俺の指を押し返す。 
つきたての餅のような弾力でありながら、密度はもっとぎゅっと詰まっているような、不思議な感触だ。 
たまらず俺はもう一度、二度と指でただただ美希のあそこの肉を触り続けた。 

「ふぁあ……」 
うん、これはなかなか。 
「っ……あっ……」 
こっちはくすぐったいのかな?でも、俺的にはいい反応。 
「ふぇ……あ、あうぅ……」 
お。ここをいじるともっと濡れてきた。今度はもうすこし外側も…… 

そうして我を忘れて股間に集中する俺の後頭部に、固いものがめり込んだ。 
「ぐおっ!?」 
どうやら、美希が膝から下を動かして俺の頭にかかと落としを入れたようだ。 
「ハニー、やりすぎっ……半分以上はミキで遊んでたでしょ!?」 

「……すまん」 
半分以上図星を突かれたので、ここは素直に認めて降参しよう。 
「でも、それはあまりに美希が可愛くて、色っぽいからだぞ。そんな美希が、 
千早の制服を着ているなんて……何だかやばい事してるみたいだ」 
「今のミキ達も、充分にヤバイ事してるけど、ね……」 


そりゃそうだ。なにせここは765プロの誇る高層ビル。 
千早や美希の活躍で建てられた俺達の城であり、家なのだから。 
社長に見つかったらクビだけじゃすまないが……他にこんな事が出来る場所が無いのも事実。 
美希も立派なメジャーアイドルであり、下手な変装でもしてホテルに出入りするところを 
悪徳記者にスクープされでもしたら俺達の未来は閉ざされたも同然だ。 

……つまりは、最悪の事態を想定した場合、悪徳記者に見つかるくらいなら社長に見つかった方がまし。 
もちろん、見つかるつもりなんてこれっぽっちもないけどな。 
恩人も同様の社長に対しては、かなり申し訳ない気持ちになるけど…… 
そんな事を考えながらも、美希の股間への執着は抑えられない。 
じんわりと湿った布の奥からは、全国のファン達が見たくてしょうがない場所があり、 
わずかに透けた下着から、その可愛らしいピンク色の割れ目がうっすらと浮かんできた。 

すでに何度も見た美希のあそこだが、下着越しに見ると、また違った趣があり別の意味でも興奮する。 
やはり、同じ調理法で、同じ食べ方しかしなかったのが問題であり、飽きたからと言って 
素材を替えるというのは、並みの料理人のする事だったようだ。 
美希と言う最高の素材は、料理の仕方によってまだまだその魅力を存分に生かすことが出来る。 
その素晴らしい素材に感謝しながら、俺はカメラの位置取りもそこそこに、美希のあそこに舌を延ばして 
弾力と味を直接感じてみた。 

「ひゃぁん……っ」 
若々しく張りのある肌は、質感もきめ細かく俺の舌をさらりと受け流す。 
ほんのりと汗のにおいがして、だいぶ遅れてもっと粘っこくてすっぱく、甘いような味がした。 
舌先に、ちょっとだけざらざらとした下の毛がいい感じの刺激になり、飽きを全く感じない。 
一刻も早く、美希の一番恥ずかしいところが見たくて仕方ないのに…… 
もう一方で、いつまでも指と舌でこの感触や味を楽しみたいと思えるほどの危険な果実。 
改めて、美希のあそこを見てしまってから欲望の暴走にブレーキをかけられるかを思い出し、不安になった。 
さすがにそれだけはやってはいけない事だから。 


「ぁう……あっ!……は、ハニーの舌……あつい……それと、えっちだよぉ」 
そりゃそうだ。ホンバンへは行けないまでも、すでに何度もこうしていちゃついた事もあり、 
お互いの弱点はそこそこ知っている。 
舌を使うのに必死で喋る事は出来ないが。その分愛を込めて舌先を使って美希の秘裂を何度も往復させた。 

「やっ……ふあぁ……っ、おね、がい……もう、やめて……脱がしてよぅ…… 
ハニーの舌、気持ちいいけど……ショーツが濡れちゃって気持ち悪いっ」 
「お、おお……そうだな、すまん」 
気が付けばかなりの時間美希の股間を舐め続けていたらしく、内から外から…… 
つまりは俺の舌と美希の愛液で下着がどんどん濡れていったらしく、もう吸水量の限界を迎えたようだ。 
すでに半分以上スケスケになった布からは、美希のあそこがひくついているのが良く分かる。 
その様子に改めて俺の股間は反応し、元気を通り越して痛いほどにそそり立っていた。 

「うわぁ……」 
気持ち悪がっている美希には申し訳ないが、こんなシーンもまた絶景かな。 
俺が舐めるのを止めた後も美希の下着の染みは広がり続け、下の毛までスケスケになっていく。 
彼女の脚を抱えているため、顔から胸、そして大事なところが一度に見えるこの贅沢なアングル…… 
俺にとって恍惚の時間だが、美希が待っている手前、個人で楽しんでばかりもいられない。 
それに、この手でこのアングルで、美希のパンツを脱がす事だって楽しみでしょうがないし!! 

「……じゃあ、美希……脱がすよ」 
「…………」 

美希は両手で顔を覆い隠しているため、表情が良く分からないが…… 
その恥じらいっぷりは千早っぽいのか美希の素であるのか、正直良く分からない。 
だが、一呼吸置いてからゆっくりと頷くそのしぐさに、俺はどうしようもないほどの衝動を押さえつつ、 
サイドから下着を掴んで、ゆっくりと下ろしていった。 

「あっ……ダメっ………脱げちゃうっ……」 
一度了承はしたものの、やはり脱がされる事に拒否反応を示すのは、女の性だろうか? 
最初に引き締まったお尻が……そして全ての男が本能的に求める、秘密の花園が顔を出す。 
まだそんなに生えていない恥毛と、この年齢でありながら綺麗な形に膨らみつつある股間のボリュームに、 
蜜がたっぷりと絡み付いて会議室の光を反射し、彼女の色気にブーストをかける…… 
その美味さを表すのに、まどろっこしい表現などいらない。ただただ…… 

【食いたい、いますぐ食いたい!!】 

美希のあそこを見た瞬間、俺の脳は不覚にもそれしか考えられていなかった。 



■



「……………」 
人間、最高の芸術品を見たときは絶句して立ち尽くすというが…… 
今の俺が、まさにそんな感じだ。 
女性なら、誰にでもついているものなんだけど……なにせ彼女は今をときめくビジュアルクイーンである、 
美希の一番恥ずかしいところが、鼻先3センチの場所にあり、 
俺の視線を受けてわずかにひくついている様がよく見える。 

まだ処女であり、ほとんどぴったりと閉じられた陰唇は実に初々しく、 
美希の汗とえっちな汁にまみれた匂いが、視覚に劣らぬ勢いでブーストをかけた。 
「す、すごい……中もピンク色で奥からあふれてくるみたいだ」 
「や……ちょっと、拡げるの、ダメ……」 
奥の粘膜まで見られるというのは、さすがに他人の視線に慣れている美希でも死ぬほど恥ずかしいのだろう。 
しかし、俺にそんな抗議を受け入れる精神的余裕は無い。 
なぜなら【美希のあそこに入れてはいけない】という大前提であり最優先事項を 
守るため、大好きな女性のあそこを目の前にして我慢しなければならないのだから。 
最初は、美希がまた一人で色々してくれるのを撮影するのだと思っていたら、 
いつの間にかこんな事になっていたとは。 
俺も流されるタイプの性格だが、同業者諸君だってこんな状況になって、 
きちんと断れる自信は無いだろう? 


落ち着け……いいか、まずは落ち着けよ、俺。 
ここで完全に流されてはいかん。美希は俺の元から逃げたりはしないんだから。 
むしろ、こんな所でしてしまって、明日のオーディションを欠席などしたら…… 
しかも、運悪く今週はダンス流行なんだよなぁ…… 
それに、ファンの皆だって馬鹿じゃない。 
美希の態度で何かあったと気付くはずだし、内股でよろよろ歩いてる動画を 
ネットに上げられでもしたら……証拠は無くとも風評被害のイメージダウンは必至だ。 

ならば、後ろで……いやいやいや!!根本的解決になってないぞ、俺の馬鹿!! 
あくまで美希には普通の……を最初に体験して欲しい。 
それに、処女を失わずにえっちできるというのは魅力だが、美希はきっと俺のために、 
何度も何度もしてくれると思う。だからこそ、まずい。 
うしろの穴を使っての性交は、多少ではあるものの肛門付近が充血するんだ。 
別に美希以外の人間が、彼女のお尻の穴を見るとも思えんが、 
もしも見られたら言い訳出来ない状況に陥るし…… 

俺の脳内で、何通りものシミュレーションが行なわれる。 
あらゆる可能性から、周りにバレずに俺達が満足できる方法はあるのか? 
その答えは……イエスだった。ちょっと悲しくなる方法だが。 
「美希……脚を閉じてくれ」 
「え……ハニー、入れないの?」 
ここまで来た以上、美希も挿入を覚悟している模様だが、そんな訳にいくか!? 
そりゃ、俺だってこのまま美希のあそこに入れたらどんなに気持ちいいか分からない。 
「入れなくても、気持ちよくなる方法はあるものさ……こんな風に」 
「ひゃんっ……」 

美希のあそこと、太腿の内側を辺に見立てて正三角形を作ると、そこには 
狭くありながらも魅惑的な空間が俺の目の前に広がっていた。 
失礼な話だが、これが千早だとスペースが空きすぎて抵抗感が無く、 
律子だと尻と太腿の肉付きが良すぎて俺のモノが入りにくい。 
……そう、いわゆる風俗で言うところの【素股】というヤツだ。 


これなら美希に傷も残らないし、俺もとりあえずは美希としている気分になれる。 
本物のあそこに比べて劣るとか言うなかれ。 
敏感な裏筋に美希の可愛いふくらみが直接当たり、谷間には可愛いクリトリスの感触を 
直接楽しむことができるという、なかなかに侮れないメリットがあるのだ。 
しかも、僅かに絞ったとはいえむちむちした美希の太腿は、肉の厚みがありながらも 
引き締まり、あそこの柔らかさとの絶妙な加減がものすごく気持ちいい。 
両サイドからのちょっと硬めの筋肉が、底辺のあそこと比べて別の生き物のようだ。 

「あっ!やぁ……なに、これ……あそこに、にゅるってハニーのが当たる……」 
お互いの、大事なところを擦り合わせているので二人ともビリビリと突き抜けるような感覚が、 
性器を通して脳天を直撃しているようだ。 
加えて俺自身も1週間禁欲しているため、下手をすれば素股といえど1分持たないかもしれない。 

……そんな哀れんだような目で見ないでくれ。頼むから。 
若い健康な青年男子が1週間禁欲した上、極上のアイドルと目の前でしてるんだ。 
そりゃ、数分どころかいつまでだってこの気持ちよすぎる感覚を味わっていたいさ!! 
だが、美希のふとももは肉付きがものすごく良い上に、1週間のダイエットで 
肉が少なくなった割に圧迫感が上がっている。 
竿の裏スジ部分は美希のクリトリスを舐りながら、柔らかいあそこの谷間を電車のレールのように 
ピタリと沿っている分、安心して往復できる。 
そして俺の先端部分は、先ほど説明した美希の適度に固い太腿に強く押し付けられ、 
挟み込まれるようなきつい感触が、はっきり言ってヤバ過ぎる。 

美希はというと、やはり大事なところを俺のもので何度も刺激されている分 
可愛くて色っぽい声と共に、俺との交合に酔っている。 
感じるたびに太腿の締め付けが一定のリズムを以て強くなり、 
俺のものがさらに締め付けられると、美希のあそこへの押し付けも強さを増す。 
二人分の液体でぬるぬるの股間は、普通なら痛いほどの体重を乗せても、 
ソレを難なく受け流し、逆に気持ち良さを増して、さらなる律動の原動力となった。 

「ハ、ニー……これ、なんかヘン……一人でする時よりもあそこがビリビリってして…… 
すごく……あたまの中が真っ白になっていくみたいっ……」 
「そうか……実は俺もそんな感じだ。美希のあそこが良すぎて、もう出そうだし」 
「えぇ……それ、勿体無い……美希がイクまで待って。一緒がいいから」 

こんなに素晴らしいもので俺を締め付けておきながら、無理難題を言う…… 
しかし、一緒にイキたいというのが美希の本心なら、俺はそれに全力で応えたい。 
多少映りは悪くなるが、俺は美希の股を閉じさせたまま両手をフリーにして、 
彼女の乳首を弄りにかかった。 
さっきさんざん胸を触ったときよりもさらに固く、感度もずっと良くなっていた。 



「んっ……あ、あぁっ……そ、そこ……弱い、の……」 
あそこと胸を同時に刺激されて、美希の声がさっきよりも甘くなってきたような気がする。 
一緒にいくと決めた以上、悪いが少々反則手も使わせてもらうことにした。 
俺が果てるまでの時間を延ばせないなら、美希をその分早くいかせてやれば丁度いいはずだから。 
「ふっ……あっ、あふ……あ、あぁっ!?」 
固くなった乳首は、指で転がすたびに乳輪ごと形を変えて、 
その乳輪に引っ張られるように乳房がわずかに動く。 
美希の閉じた足が目の前を塞いでいるので、その様子は触覚のみでしか判別できないが、 
乳房全体がぷるんと揺れるのは、見えない分余計にいやらしさをイメージできた。 
「あ、やぁあ……ムネもおっ……ぴりぴりって、いってる……」 
そして、この声。 
見えないが故、視覚以外が総動員され俺の快楽中枢に絶頂間が押し寄せた。 

「どう……だ……きもち、いいか?もっとはげしくできるぞ」 
「あぁっ、んっ…………き、きて……ハニー……もう、とまんないから…… 
いっぱいして……はげしく、してぇ……」 

どうやら、美希も完全にブレーキが効かないところまで来たらしい。 
後はどこまで彼女を気持ちよくしてあげられるかだが、ここまで来た以上、 
俺は残り体力の全てを振り絞って、往復のスピードを上げた。 
竿の裏スジが美希のクリトリスを軽く押し潰しているのを感じる。 
特に強い刺激ではないのだが、俺のものが美希の一番感じる部分を擦っていると思うと、 
だんだん本物のえっちをしているような気になってくるから恐ろしい。 

俺の腰が美希のやわらかい太腿に当たるたびにお互いの肉が波を打ち、 
一定のリズムは快楽の波をだんだんと押し上げて行き、感覚はどこまでも鋭敏になっていく。 
あとはただ、一気に絶頂へと駆け上がるのみだが、 
快楽という頂上へ辿り着くだけでは終われない。 
その頂上をジャンプ台として、今まで二人で高めあった迸りを爆発させるべく、 
美希の腰の動きに厳密に合わせ、力加減もかなり強めてみた。 

「ひゃうっ、あんっ、あ、あ……あぁっ!?」 
「くっ……美希、俺そろそろヤバい……」 
美希の太腿……というか、お尻に近い部分に腰を打ち付ける感触は怖いくらいに気持ちよく、 
往復のスピードとパワーを同時に強めたおかげで、ちょっと痛みも感じるが、 
痛いと同時に感じる気持ちよさは、とても言い表せないほどだ。 
正直、気持ちよさを代償に何か、身体を壊しているような感覚すらある。 
一度えっちするたびに、20回も叩きつければ怪我をしそうだ。 

「ハニー……は、はぁ……ハニーっ!!ミキ、ダメ……あたま、真っ白……」 
「よし……俺もいくぞっ、一緒に……美希、美希っ……」 

ひとつ、ふたつ、みっつ…… 
禁欲生活により、限界まで高まった感覚は、美希の声を聴くと3往復しか持たなかった。 
膣壁の奥……つまりは子宮口に俺のものが当たる感触は無いが、 
美希のふとももに挟まれたソレは、遮るものが無いため、数億の俺の分身を、 
勢いよく美希の買った制服全体から顔……髪にまでぶち撒いた。 
「あ、ああぁあぁぁんっ!?」 
文字通り爆発するような俺の精液が降りかかると同時に、美希のあそこがぶるりと震えた。 
すると、さらに俺のものを締める感覚が変わり、休む間もなく子種を搾り取られる。 
断続的に続く痙攣は、もはや俺自身が干からびるかと錯覚するほどに続き、 
全てを出し切った俺は、美希に圧し掛からないように、彼女の横に倒れるのが精一杯だった。 



「美希……」 
視点が変わり、美希を隣に望むとお互いが肩で荒い息をしている。 
顔から胸まで、俺の精液にまみれさせてしまったので綺麗とは言えないが、 
べとべとになった胸の液体を手ですくい取るしぐさは、この上なく淫猥に見えた。 

「ハニー……なんか、ホントにしちゃったみたいな気分だね」 
「そうだな。でも、美希はまだ完璧に処女だから、安心して仕事してくれ」 
「でも、マスコミの人たちが言う【男女の関係】ってのは間違いないと思うんだけど」 

そりゃそうだ。【美希は処女だから俺達は何の関係もありません】なんて屁理屈もいいとこだし。 
では、処女を奪ってしてしまっていいのかと言えばそれもノーだ。 
普通に考えたら手を出した時点で言語道断、と罵られるべきなのが世の常だが、 
それでも俺なりのルールと言うのはあり、美希の純潔を引退まで守る事はその最たるものだ。 

「でも、こんなに気持ちいいんだったら……また時々しない? 
美希で一人えっちしてくれるのは嬉しいんだけど……それってやっぱり寂しいかも」 
「いいや美希、ソレは違う!!その論法は【ケーキを毎日食べられるからパンは要らない】 
というのと同じくらいの暴論だ!!」 
「ふぇ……そ、そうなの?」 

まだお互い、さっきの素股プレイの余韻が抜けていないので息も絶え絶えだが、 
俺は世の中の男の代表として、彼女の間違いを正さぬわけにはいかなかった。 

「そうだな……例えば、俺がとんでもない性癖の持ち主だとして、 
毎回する時に、【美希のお尻を思いっきり叩きながらでないとイけない】とか言ったらどうする?」 
「ん……いいよ。それくらいしてあげる」 
「いや、そりゃすごく嬉しいんだが……イヤだろ?毎回そんなプレイを強要されるのは」 
「ううん、全然。痛くても、ハニーが最高に気持ちよくなるんだったらそっちの方がいい」 

困った。確かにやる気に目覚めてからの美希はそんな女の子だったっけな。 
この場合だけは以前のやる気に欠ける彼女の方が扱いやすかったが、それは仕方ない。 
「つまりだな……美希のその気持ちは真剣に嬉しいけど、美希を壊しちゃうのは嫌なんだ。 
だから、妄想の上で自由にしたい……そんな気持ちがあるからこそ、男は彼女が出来ても、 
えっちなDVDを借りたり、彼女や奥さんと関係ない女の出るえろ作品を見たがるわけだ」 
「うーん……つまり、春香が言う【ケーキとごはんは別腹です!!】って感じの事?」 
「まぁ、そう言う事だな。美希は自分のファンに彼女や嫁さんがいたら、イヤか? 
自分だけをずっと愛して欲しいって思うか?」 

「ん……ん〜…………」 
そう言えば、美希はやる気を見せて変わってから、自分の感覚を凄い勢いで変えてはいるが、 
ファンの視点で考えてみるというのはあまりやった事が無いのかもしれない。 
生まれつき才能に溢れ、祭り上げられる人生では、他人の視点を理解するなんて、 
考えもしないだろうし、考えようとしてもワケが分からないだろうな。 
それでも、最近は随分と理解力も上がって、【蒼い鳥】や【first stage】あたりの歌い方にも 
変化が見られてきたんだ。きっと分かってくれると信じているさ。 


「うーん……ミキ、そんな風には思わないよ。だって、ミキの歌を好きでいてくれるんだもん。 
彼女やお嫁さんと一緒に、ミキの歌を聴いてくれて……それで、幸せになってくれたら、 
もっと嬉しいなって思うから……」 
「そうだな。【人はパンのみにて生きるにあらず】って諺もあるとおり、 
いろんな種類の刺激があって、人間は知識や感性を育てていくわけだ。 
そうする事で、より大きく自分を高めていこうとするのがベストだと俺は思う」 
「じゃあ、ハニーも最終的にミキを選んでくれるなら……浮気してもいいよ♪」 

「いや、その理屈もおかしい!!だいたいそれがイヤだから今回のおかずDVD作りを 
はじめたわけでだな、それやっちまうと本末転倒というか……」 
「う〜……男の人って理屈が多くて難しいの……あふぅ」 
「今すぐ分かってくれとは言わない……が、頼むからそんな格好で寝るな!? 
せめて液体は拭いてくれ!!一人で後始末してるときに社長でも来たら終わりなんだから」 

そうだ。思い返せば千早の学校の制服を着たまま、似非ホンバンに突入したおかげで、 
スカートから制服まで俺のアレな液体1週間分がたっぷりかかってしまっていた。 
何だかちょっと、千早としてしまったみたいな気がしてドキドキする。 
……いや、それ以上にこれはもう拭いて誤魔化せない量をかけてしまった。 
半脱ぎ状態で美希とするのは凄く気持ちよかったが……これは着替えるしか無いよなぁ。 

「着替えたのがこの部屋で良かったよ……美希、ティッシュとタオルで身体を拭いたら、 
すぐにいつもの服に着替えるんだ。シャワーはその後で浴びてくれ」 
「はぁいなの……でも、その前に……」 

半裸で汗と精液にまみれて上半身を起こす美希の表情は、やばいくらいにエロい。 
「最後は、キスして……美希が一番だって、言って欲しいな……ハニー」 
そして、千早の面影が完全に吹き飛ぶくらいに、美希そのものが可愛いと思った。 
どんなに味付けを変えても、最終的には素材の味を最大に生かすのが、 
プロの料理人であり、プロデューサーもまた然り、なのだろう。 
「大好きだ……美希。どんなアイドルよりも、美希が一番いい」 
お互い舌を絡め、深いキスをする。 
美希の鼻先からは俺が出したばかりの精液の匂いがした。 

本当に、素直で、努力家で、可愛い……最高の女の子だ。 
だからこそ、俺は彼女をトップアイドルに育て上げるために命を賭けられる。 
気が付けば、すでに時刻は昼を随分と過ぎていた。 
社長と小鳥さんには、かなり長めのミーティングになったと伝え(一応嘘ではない) 
美希に軽くシャワーを浴びさせ、遅い昼飯に行くことにした。 


「ハニー、お昼は中華にしよっか?」 
「お?珍しいな。いつものおにぎりが美味い小料理屋にしないのか?」 
「うん。美希もおにぎりのみで生きてるわけじゃないし、たまにはみんなの好きな 
お店とか回ってみて、もっと色々知りたいの。 
社長が新しいステージ衣装も買ったし、律子……さんが、近くで中華の美味しい店、 
紹介してくれたから、ハニーと食べて、いっぱい知りたいの」 

そういう提案なら大賛成。 
おかず違いではあるが、美希も積極的に色々感じたいと思っているのは良い傾向だ。 
「そうだな……じゃ、とりあえず基本的なメニューから勉強だ。 
【乾焼明蝦】と【乾焼仁蝦】の違いくらいは覚えてもらうぞ」 
「はぁいなの♪」 
秋口とはいえ、まだまだ残暑の厳しい季節。 
俺がバテて倒れないためにも、ここは精力を付けておきたいところだ。 
俺は半ば、美希にさらわれるような感じで腕を引かれ、速いペースで歩き出した。 
さっきあれだけ激しくしたにもかかわらず、元気一杯に日向の大通りを歩く美希に、 
俺はこれから色んな意味でついていけるのかと不安になりながら。 


……尚、その日仕事が終わってから録画した映像データを見たところ、 
後半あたりからはカメラワークも何もなく、俺が邪魔して美希のえっちなところが 
見えづらいったらありゃしない。せっかく美希が、ガラリとキャラを変えて演じてくれたのに。 
しかも、今回は美希が一人でしてくれてるわけじゃない。俺も一緒に映ってるんだ。 
自分の声をテープに録音して聴くと、めちゃくちゃダサく聴こえるのと同じで、 
言う事する事全てが間抜けで、美希のエロさ以上に見てて恥ずかしい。 
特にこの、美希のあそこをいじりすぎてカカト落としを貰う場面なんて生涯封印したいぞ!! 

だが、こうして見るとAV男優の人も大変なんだろうな。 
まず一番に視聴者がエロく見えるように気を使い、 
次に女優さんが気持ちよく演じられるようにと、これまた気を使う。 
そして、一部のトップにでもならない限り、名も売れないし稼ぎも少ない。 
プロデューサー業と似たような悲哀を感じるぞ。 

そんな感じで、新たなおかず作りは俺のミスで大失敗。 
美希にその事を話したら、直ちに今すぐ俺のために協力してくれるだろうが…… 
その前にせめて、もう少し体力を付けておくべきかもしれない。 
秋口は食べ物も美味しくて太りやすいし、美希と素股プレイをすると、 
まず間違いなく俺のほうが先に果ててしまうのもはっきりしたし。 

「ま、やってみせるさ。最高の幸せを手に入れた分は、努力しなきゃな」 
人はパンのみにて生きるにあらず……とは言ったものの、俺にとって美希は、 
毎日食べるパンのような存在にはならないだろうな。 
今こんな状態だと、将来一緒になって、毎日アレやナニな事をする様が想像できない。 

同業者諸君は、どう思うよ? 
皆にとって理想のアイドルであり嫁だと思う彼女は、毎日食べて飽きないパンか、 
はたまた、滅多に食えないが一生忘れない味になる豪華絢爛のケーキか。 
そんなくだらない事に真剣に悩める俺達は、幸せなんだろうな……きっと。 


■おしまい。 





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