無題

作:90-136-148 画:93

挿絵画像に版権がありましたら御一報下さい

「千早……椅子は2つあるんだから、別に隣に座らなくてもいいんだぞ?」 
「いえ、私は構いませんから」 
俺達は今、地方でのコンサート会場に向かっている最中だ。 
地方とは言うものの、国際的なオーケストラも演奏に使うホールでの二日連続で行うコンサートであり、
既にチケットは完売している。 
ネットオークションでのチケットの値段はD席でも三万を超えるなど、千早の人気ぶりが良く分かる。 
で、そのコンサートのメインスポンサー が寝台特急を使った豪華な旅行で有名な旅行代理店。 
その旅行代理店がイメージキャラクターとして千早を採用したいらしく、
今回の移動に是非使っていただきたいと寝台特急のスイートを一室用意して戴いた、という訳だ。 
正直、俺の部屋より豪華なんじゃないかと思われるような内装だ。 
ベッドもデカくてふかふか、シャワールールとトイレが別、ゆったりとしたソファーが二つ。 
窓も大きく、外ののどかな光景がゆっくりと後ろに流れていく。 
「流石に車両の半分を使ってるだけのことはあるな、これなら歌のレッスンをしても問題ないくらいだろう」 
「そうですね……私、こういう電車に乗るのは初めてですが、こんなに凄いものだとは思いませんでした」 
「現地に着くのが水曜の夜、コンサートは週末だから、乗ってる間はゆっくりできるな」 
「ええ、そうですね」 
「……」 
「……」 
いかん、会話が続かないな。 
しかしどうしたものか、正直千早が隣に座ってるだけでも心臓バクバクなのに夜になったらどうなるんだ。 
ベッドは二つあったが別に一つのベッドに二人寝たって問題ないデカさだったし…って何を考えてるんだ俺は!! 
相手は俺が育てたアイドルだぞ、ファン数すでに百万超えたアイドル中のアイドル、
辛いことも嬉しい事も一緒に乗り越えたパートナーじゃないか。 
ここで俺が獣欲に流されてはいかん!それは千早を、俺たちの今までを否定することになる! 
「……あの、プロデューサー」 
「え、あぁ、どうかしたか、千早」 
「このスイート、私が、私達が頑張ったから手に入ったんですよね」 
「ま、まぁそういうことになるんじゃないか、千早の頑張りが大半だと思うけど」 
「……な、なら、その……ご褒美が必要だと、思いませんか?」 
「ご褒美?」 
「はい、私からプロデューサーへのご褒美は……」 
千早の薄く桃色に染まった顔が、柔らかそうで、艶やかに塗れた唇が近づく。 
だから、俺は――― 


「待った」 
「…?」 
目を閉じかけていた彼女が不思議そうな顔付きになり、その動きを止める 
「…やっぱり…良くない、こう言うの」 
「何故…ですか…?」 
静かな表情で彼女が問う 
「だって、俺はプロデューサーなんだぞ? しかも、千早は俺の担当アイドr(ry」 
「誤魔化さないで下さい」 
強い口調だった 
真っ直ぐに見つめる瞳には、何かしっかりとした光りが宿っている 
「何故そうやって、逃げるんですか? 
 私はプロデューサーにずっと受け止め続けて貰って…こんなに…嬉しかったのに… 
 なのに、どうして…? どうして、最後まで私の事を受け止めてくれないんですか…?」 
逸らす事の無い彼女の視線から、逃げる様に彼が視線を外す 
「違う…よ…、そうじゃ無い。 そうじゃ…無いんだ…」 
少し重苦しい表情で、彼が続けた 
「怖いんだ…」 
「…えっ?」 
「俺は…怖いんだ。 この先に待ち受けている、千早を傷つけてしまうかもしれない未来が有ると思うと 
 この俺の手で千早を汚して、傷つけて、壊してしまうかと思うと…それが、堪らなく…怖くて 
 本当は、こんな感情を千早に持つって事、プロデューサーとしてはまずい事なんだって判ってる 
 だけど…だけど俺だって…本当は…」 
彼はそこで言葉を区切ると、苦しそうな哀しそうな表情で千早を見つめた。その頬に一筋の涙が伝う 

何時も明るくて、何時もしっかり私を導いてくれて…しっかりと私を傍で支え続けて来てくれた彼なのに… 
なのに…なのに、そんな人なのに…今はとても弱々しく見える 
(トクン) 
彼女の胸の奥に、小さな鼓動と共に不思議な感覚が沸きあがる。何と言えば良いか本当に判らない感覚だった 
無意識に彼に両手を伸ばすと、自分の胸にその彼の頭を抱く 

「…ち、ちは…?」 
くぐもった声が響く 
「…馬鹿…。 本当に、馬鹿な人ですね…」 
スッと彼女が腕を緩めると、彼の頬に手を添えて見つめる 
「私は貴方が居なかったら、如月千早じゃ無かったんですよ? 何故それに気が付いてくれないんですか? 
 貴方が居るからこそ、私は如月千早で居られるのに… 
 私の事を自由にして良い人は世界でたった一人、貴方だけなんです。 私を私で居られる様にしてくれた貴方だけなんです」 
何時の間にか彼女の瞳にも浮かんでいた涙が、零れ落ちていく 
「だって…私は………貴方だけの如月千早…なんですから…」 

美声を奏でる美しくも愛らしい少女の柔らかな唇が、彼の唇に重なる 
優しいキスだった。お互いの想いが、お互いの唇を通して流れ込んで来る様な、そんな優しいキスだった 
彼の腕が、柔らかく彼女を抱き寄せると、彼女は両腕を彼の首に廻していった 

「…ふ…んぅ…、ん………は…ン…、……ハァ…」 
長い口付けの後、離れた彼女の唇から毀れる甘やかな吐息 
「…本当に……いいのか…?」 
桜色に染まった顔の彼女がコクンと頷くと、再び彼が唇を重ねる 

2人の影が重なると、ベッドにその影が沈みこんで行った 

■ 
彼の手が、衣服の上から彼女の胸に添えられる 
「…っ…」 
唇の間から吐息とも思われる声が聞え、ピクリと僅かだが身体が震え強張った 
胸に少なからずコンプレックスを持っている彼女の事、無論、自分で自分の胸に触る様な事は滅多に無い 
それが衣服越しとは言え、初めて異性にそれに触れる事を許す 
そっと、柔らかくだが、確かに感じる男の手の重さ 
自分では決して感じる事の出来ない感覚に、彼女の身体は戸惑っていた 

唇を少し離し彼が告げる 
「…怖い…?」 
「い、いえ…そう言う訳じゃ無いんです…けど…」 
首を振る彼女 
恐らく、彼女にとっては未知の経験に対する自然な防衛本能見たいな物なのだろう 
彼女自身は気が付いて居ないだろうが、無意識に浮かんだ言い様の無い表情がそれを物語っていた 
無理も無い。彼女は性経験など無い真っ白な少女なのだ 
そんな彼女の様子を見て、彼が優しそうな微笑を浮かべて軽くキスをすると、彼女の耳元に口を寄せ囁く 
「大丈夫、安心して。 千早が不安になるそんな乱暴な事、誰が出来ると思う?
 やっと触れる事が出来るんだよ? 大事な、大事な俺の宝物に」 
「…あ」 
魔法の様な言葉が、彼女の心と身体に染み渡っていく 
瞬時に心が受け入れ、身体が理解した 
彼に愛して貰えるんだ、って ――――― 彼自身の手で、この私を 
「…はい」 
はにかみながらも嬉しそうな表情を浮かべると、彼の手がユックリと動き出す 
それに呼応するかの様に彼女の強張りは溶け出していった 

優しく柔らかくも彼女の胸を覆い続ける彼の手 
時に撫でる様に、又、時には少し掴む様に、彼女の緩やかな双丘上を動き続ける 
柔らかなそれでいて今まで無かった未知の刺激に、翻弄される彼女の心 

ああ…、ぷ、プロデューサーが……。こ、こんな…………こんなに、私の……私の胸を… 

幾ら願っていたとは言え、流石にこんな事をしていれば意識がボーっとしてくる 
ましてや相手は、恋焦がれた愛しい人 
しかも胸だけでは無い 
途切れる事の無いあの甘やかだったキスは、少しづつ熱を帯び始め彼の舌が彼女の口腔に分け入っている 
彼に手と口で愛され、意識が次第に白み見掛けてゆく 
と、同時に下着に包まれた双丘の頂部にある初々しい突起に変化が起こり始めた 
彼の手に押される度に、又バストを揉み起こされる度に、
下着とその固くなり掛けた突起が擦れ、その瞬間鈍い電流の様な物が身体を奔る 

…え…? な、何…? …ふぁ……んんっ!…。…や、や…んぁっ…だ………し、痺れ…ぁっ 

思わず挙げそうになった声を噛み、水音のする唇の端から押し殺した様な音が漏れた 
「…ぅ、ん…」 
だ、ダメ…、く、ぁっ!………んん…。…い、意識が…んっ!……だめ…よ…… 

「っ…ん…」 
目を瞑って堪える様な表情の彼女から、甘さを匂わせる吐息が漏れ続けて行く 
頬は既に桜色に染まり、先程から感じている新たな感覚に抗おうとその表情には切なささえ混じっているかの様だ 

スッと彼が唇を離すと、少し腕の動きが緩やかになる 
「クス…。 可愛いな、千早は。 感じやすいんだ」 
彼から紡がれる一言 
「………そ…、そんな…の…、わ…判りま…せん…。 だって…私……、こ、こんな事したの…は、初めて…で…」 
喘ぐ様な声で彼女が答えた 
だが今の彼女にはそれがとても似合って、非常に魅力的な雰囲気に包まれている 
「馬鹿だな。 良いんだよそれで。 素直に感じてる千早を俺に見せてくれ」 
そう言って、かr 





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